何となく米の量のことなんだろうなとは想像がつきますが
果たして、1石とはどれくらいの米の量であり
それは、現在の価格で言うといくらぐらいになるのか?
気になったので調べてみました。
まず、量から言いますと
1石 = 10斗 = 100升 = 1,000合
だそうです
大人1人が1食に1合の米を食べるとして
1日3合 × 365日 = 1,095合となることから
1石は、大人1人が1年間に食べる米の量に相当する
ということになるそうです
なるほど、そう考えると想像しやすいですね!
次に、1石の価値についてですが
これは、現代の世の中にインフレやデフレがあるのと同じように
結構、変動したようです
安定している時で「1石 = 40,000〜60,000円」
物価が高騰し、相対して米価が下がったときは「1石 = 3,000〜5,000円」であったこともあったそうです...
武士の給料(禄)は、米の現物支給(正確には違うけど...)だったわけですから
インフレ時(物価が高騰したとき)はたいへんだったようですね...
「竹光始末」(藤沢周平著)の中に、次のような一節があります
「片柳どのは、会津藩で何をしておられる」1年間の給料が80石であることを「きつい(給料が安くて生活に余裕がない)」と言っている場面です
「作事方に勤めてござる」
「高は?」
「八十石でござる」
これはきつい、と八郎左衛門は思った。
【備考】作事(さくじ)とは、建築関係の仕事のこと。すなわち大工。町大工とちがい、戦のときの陣を組んだりといった戦術的な分野も担当していた。
80石と言うと、大人1人が80年間食べられるだけの米の量ということになります
結構な量ですよね!
「1石 = 40,000円」で換算すると「年収320万円」に相当することになります
現代のサラリーマンの平均収入ぐらいではないでしょうか?
この「竹光始末」の舞台は、江戸初期ですので
米価は恐らく「1石 = 40,000円」程度だったと考えられます
従って、余程のぜいたくをしなければ、十分、暮らしていけるだけの給料のように思えます
しかし...
先ほど、「武士の給料(禄)は、米の現物支給(正確には違うけど...)」と書きました
これ、どういう意味かと言うと「80石分の領地を与えられる」という意味なんです
1石の収穫を見こめる水田 = 1反 = 約10a(アール)
ですから、「80石分の領地」とは「8ha(ヘクタール)」の広さの土地を持つことになります
(1ha = 1辺が100mの正方形の面積。およそ、学校の運動場程度の広さ。)
その領地で耕す農民から年貢を受け取り、それを自分の報酬とするわけです
いわゆる、地頭というやつですね
従って、農民を監視したり、年貢を取り立てたり、また、与えられた領地内の治安を保ったり...と
武士には武士なりの様々な役割があるわけで、それを全て1人で行うことはなかなか難しいわけです
だって、80石分の領地を与えられるだけの仕事は他にあるわけです
その仕事をするから80石分の領地をもらえるわけであって
その領地の管理は自分自身ではできませんよね...
要するに、80石分の領地を管理するために、人を雇う必要があるというわけで
その人件費も、もちろん、80石分の領地から捻出しなければいけないわけですし
収穫した80石全てを農民から取り上げるわけにもいきません...
年収320万円の給料をもらうのではなく
年商320万円の小さな会社を運営する...といったところですね
そう考えると、80石ではきついですね...
しかしながら、米価が下がって「1石 = 3,000円」になってしまったら...
80石 = 24万円ですからね...
会社の売り上げが年間24万円では、間違いなく倒産ですね...
江戸時代、様々な改革が行われたものの、ことごとく失敗した背景には
そんな、米価の下落が関係していたのかもしれませんね


0 コメント:
コメントを投稿